こんにちは、一般社団法人U&I(ユーアンドアイ)です。
私たちは、相続や遺言、老後の暮らしに関するお悩みを幅広くサポートしております。
今回は2026年の相続税改正のポイントについて解説させて頂きます。

なお、当コラムはあくまでも2026年1月現在時点で予想される改正案の解説となります。
現在開催されている国会の審議によって、相続税改正案の内容が変わる可能性もあるのでその点ご了承ください。


2026年の相続税改正とは?

「その時」ではなく「今から」が大切になる時代へ

2026年の相続税改正では、これまで多くの方が活用してきた相続対策の考え方が、大きく変わろうとしています。
特に注目されているのは、相続直前に行う“駆け込み対策”が通用しにくくなるという点です。

これまでは、「相続が近くなってから不動産を購入する」「直前に贈与する」といった方法で税負担を抑えるケースもありました。しかし、今回の改正によって、そうした短期的な対策は効果が出にくくなり、早めに、計画的に準備することが何より重要になります。

ここでは、2026年相続税改正の主なポイントと、これから意識しておきたい相続対策の考え方を、できるだけ分かりやすくご紹介します。


不動産評価の見直しで「直前対策」が難しくなります

今回の改正で最も影響が大きいのが、不動産の評価方法の見直しです。

相続直前に購入した不動産は評価が高くなる可能性

相続開始前(または贈与前)5年以内に購入・新築した貸付用不動産については、
これまで使われていた相続税評価額ではなく、実際の取引価格に近い金額(時価の約80%相当)で評価される方向になります。

これにより、

  • 現金を不動産に変えて評価額を下げる
  • 相続前に賃貸物件を購入する

といった方法は、以前ほど節税効果が期待できなくなります。

「不動産を買えば相続税が安くなる」という時代から、取得するタイミングまで考える時代へと変わっていきます。


不動産小口化商品も対象になります

最近利用されることが増えている、任意組合型や信託受益権型などの不動産小口化商品も見直しの対象です。

これまでは「小口化=節税に有利」と言われることもありましたが、相続直前に購入した場合は、通常の不動産と同じように評価される可能性があります。

商品そのものが悪いわけではありませんが、
「いつ取得するか」「なぜ持つのか」がこれまで以上に重要になります。


ポイントは「5年ルール」

改正後は、

  • 5年以内に取得 → 実勢価格に近い評価
  • 5年以上前から保有 → 従来の評価方法

となる考え方が基本になります。

つまり、相続対策は「直前に考えるもの」ではなく、
5年、10年単位で設計していくものへと変わっていきます。


贈与制度の変更で「使い方」が変わります

教育資金の一括贈与は終了予定

これまで利用されてきた教育資金の一括贈与の非課税措置は、2026年3月末で終了予定です。

お孫さんの学費などに使われていた制度ですが、今後は通常の贈与や他の制度を組み合わせる必要が出てきます。

すでに利用している方も、これからの贈与方法について見直しておくと安心です。


相続時精算課税制度は少し使いやすく

相続時精算課税制度には、年110万円の基礎控除が新設される可能性があります。

これにより、

  • 少額なら申告不要
  • 毎年コツコツ贈与しやすい

というメリットが出てきます。

ただし、この制度はあくまで相続時にまとめて精算する仕組みです。
最終的には相続財産に加算されるため、「税金を減らす制度」というよりも、
資産を早めに移しておくための制度として考えることが大切です。


事業承継税制は引き続き活用できます

中小企業の経営者の方にとって重要な、事業承継税制の特例は延長される見込みです。

非上場株式や個人事業用資産について、一定の要件を満たせば相続税や贈与税の納税が猶予されます。

提出期限も延長されるため、

  • まだ準備できていない
  • 後継者を検討中

という方にとっては、計画を立て直す時間が確保される改正といえます。


不動産登記の義務化がさらに進みます

2026年4月からは、登記名義人の住所や氏名が変わった場合も登記が義務化されます。

相続だけでなく、

  • 引っ越し
  • 結婚や離婚による改姓
  • 過去に名義変更していない不動産

なども対象になる可能性があります。

登記を放置すると、将来売却できなかったり、金融機関から融資が受けられなかったりすることもあります。
相続対策は「税金」だけでなく、不動産の管理も含めて考える時代になっています。


改正後に意識したい相続対策の考え方

2026年改正の大きな流れは、

「その時に考える相続」から「今から考える相続」へ。

です。

駆け込み対策より、早めの準備

相続が近くなってから動くより、

  • 不動産の取得時期
  • 贈与の分散
  • 資産の整理

を早めに進める方が、結果的に負担を抑えやすくなります。


まとめ

2026年の相続税改正は、

  • 不動産を使った節税の見直し
  • 贈与制度の変更
  • 事業承継の継続支援
  • 登記管理の強化        が中心です。

相続は「いつか」ではなく、「今から」考えることで、将来の安心につながります。